モンドミュージックとは?
モンドミュージック(?)・・・モンド・ミュージックとは90年代東京のレトロな「奇妙なムード音楽」のリヴァイバル。ちなみに、「モンドミュージック」とは90年代渋谷系流行時に一部で流行したちょっと妖しげな感じの日本の音楽ジャンル。S盤アワーなどの映画音楽やイージーリスニングなどのポピュラー音楽と細野晴臣さんらのエキゾチカ、ヤン富田さんらの電子音楽や宇宙モノ(さらにヤン富田さんは80年代日本のラップ黎明期のパイオニアのひとり)…と話長くなりそうなので略😅。もし「モンドミュージック」に興味がわいた方はぜひ原書『モンドミュージック』シリーズの本をご覧いただきたい。
amazon.co.jp-モンド・ミュージック 単行本 – 1995/1/1 Gazette4 (著) –
「モンドミュージック」ってなに?(未定稿)
1995年2月15日発売『モンド・ミュージック』(リブロポート社)
1990年代に日本の渋谷系の裏でひっそりごく一部の愛好家に隠密裏に流行していたエキゾチカ/スペースミュージック/カルト歌謡曲などの「へんてこ音楽」愛好家のムーブメント?鈴木惣一朗、細野晴臣、ヤン富田、ほか多数(敬称略)
(引用2つのメディア紹介例)
“モンドミュージック
デジタル大辞泉 「モンドミュージック」の意味・読み・例文・類語
モンド‐ミュージック
《〈和〉mondo〈イタリア〉+music》ムード音楽・イージーリスニングミュージックなど、従来軽視されてきた匿名性の高い音楽の中に、マニアが珍奇さ・エキゾチシズムといった要素を見いだし、ジャンルとして命名したもの。[補説]mondo(世界・地球)は、イタリア映画「世界残酷物語」の原題Mondo Caneから。
(出典)小学館デジタル大辞泉、コトバンク”
“ノスタルジーと歴史とヘンテコな音を巧くマゼちゃった「モンド・ミュージック」。信じられないほど奇妙な音楽、美しいノイズのモンドなレコード500枚を一挙紹介する前代未聞の本。”(商品説明より引用)
(以下、筆者の個人的感想)
モンド・ミュージックとは、
90年代半ばに東京のGazzet4による昭和レトロな奇妙なムード音楽のリヴァイバル。
1995年2月15日出版『モンドミュージック』Gazzet4(※ワールドスタンダードの鈴木惣一朗氏らが主催したという編集チーム)により提唱。
50年代末頃に米国で流行したエキゾチカ、映画音楽、イージーリスニングなどの「ムード音楽」、スペースミュージックなどの初期電子音楽、実験的音楽など、世界各地のへんてこりんな音楽をかき集めた、オタクっぽいラウンジミュージック。
モンドミュージックの由来は1962年イタリア映画「世界残酷物語(monde cane)」から。「モンド(monde)」とはイタリア語で世界の意味だがどうやらこのサントラの邦題やopの犬の鳴き声などのサントラから「奇妙」というイメージが湧いたようだ。もちろん音楽ジャンルやスタイルの呼び名は自由である。このユニークな発想にも個人的にはそそられる。
(ただ、蛇足だが一応生真面目な見方に配慮して触れておくともちろんこれは日本国内の造語である。おそらく海外では『モンドミュージック』という本の実物をみせないと伝わらない。とくにイタリアやフランスでは「monde」は日本で「世界」英語で「World」という一般的な言葉。つまり、なんの説明材料もなしに日常会話で「モンド・ミュージック」といえば「ワールドミュージック(英語 World music、フランス語:Musiques du monde)」のことかな?と思われるかもしれない。ただ、ここはワールドスタンダードという音楽ユニットで80年代YENレーベル(細野晴臣さん主宰)で優れた音楽作品を発信されてきた鈴木惣一朗氏の解釈。つまり音響芸術家個人の自由な創造によるネーミングであり、まさかとは思うが訳語の解釈が云々ということは野暮。)
(しかも東京は80年代原宿クロコダイルや90年代渋谷系宇田川町界隈などのコアなレコードマニアの用語であり、日本でも音楽のサブジャンルとしても認知はされてこなかった。せいぜい2000年代以降のオブスキュアといったEDM世代がもしこの本に遭遇すればその道の先人がいた事にかろうじて気づいてもらえるかという程度。)
(※ちなみに、90年代東京のクラブミュージック、アシッドジャズ系の「Monde Grosso」とは別。また、もう少し最近の例だと、ビッグバンセオリーなどの連中が好きそうな音楽といえばある程度近いイメージもかもしれない。)
1995年2月東京でひっそり産声をあげた50年代ムード音楽や電子音楽、特に「エキゾチカ」や「スペースミュージック」など。主なサブジャンル:50年代米国で流行したムード音楽(イージーリスニング、エキゾチカ等)、電子音楽(スペース・ミュージック)、その他諸々。
個人的な言葉でごくひらたく申せば、つまり「昭和レトロなオタクのラウンジミュージック」とでもいおうか。
ラウンジミュージックというのは90年代前半の東京いわゆる渋谷系界隈で流行していた音楽ジャンル。ラウンジは渋谷宇田川町のオルガンバー発祥。
90年代渋谷系界隈ではクラブミュージック、アシッドジャズ、ラウンジ等が流行。
ラウンジは渋谷宇田川町のオルガンバー発祥
(1992/1993年頃)から渋谷系が流行。
昭和レトロというのは筆者の個人的解釈。
原典『モンドミュージック』では音楽ジャンルやスタイルまたはテーマなどの音楽性でいえばざっと数十種類(細分類すると百以上?)の書くのが面倒な、いや極めて芳醇な音楽性を醸しているが、年代別に分類すると、戦後の昭和すなわち昭和20年代後半から昭和60年代まで。とくに昭和レトロの黄金期とされる昭和30年代昭和40年代頃の音楽が多い。
1950年代(昭和20年代後半~昭和30年代前半)※エキゾチカ、1959モンド
1960年代(昭和30年代後半~昭和40年代前半)※その他モンド
1970年代(昭和40年代後半~昭和50年代前半)※宇宙モノ、怪奇、オカルト
1980年代(昭和50年代後半~昭和60年代前半)※テクノ、シンセ
まあ要は最大限のリスペクトをこめた超良い意味で「レトロなヲタクのBGM」。といったところか。(ヲタの極み音め※ヲタクの極み的な内角高め(もしくは外角低め)の音楽?つまらんしダジャレの素材が微妙。
モンドミュージック年表(下書き)
まずは事実情報として時系列を抑えておこう。
1950年代~1990年代米国の独身貴族(今でいうヲタク)に流行したエキゾチカ/スペースミュージック/カルト音楽など。
(つまり2000年代Z世代でいえばredditのオタスレで話題になるようなマニアックな音楽。もしくはビッグバンセオリーで話題になりそうな音楽。)
モンドミュージック語源
1962 Mondo Cane(1962年イタリアのドキュメンタリー映画(邦題)『世界残酷物語』”Mondo”なmoodの音楽
モンドミュージックのサブジャンル
はっきりいってモンドミュージックは鈴木惣一朗さんが霊媒師となって伝えてくださるヤン富田さんや細野晴臣さんたち日本のサブカル音楽神たちの音楽遍歴である。自分らモンド読者はその巨人の後追いで聴いてる小僧に過ぎない。したがってモンドミュージックのサブジャンルについて小僧がなにをかいわんやだが。以後、あくまで個人的な備忘のためにおいおいまとめてみたい。
(小僧もすでにシニアなので遅筆の言い訳にしておく。別に継承したいとかそんなカッコいい理由はない。むしろヤフオクで値が上がるのを懸念する同担拒否気味で猜疑心が強い心が狭いリスナー小僧。ただワシはコレクターではない(欲しくなると悪い癖がでるので我慢である)。もう値上がりして嫌になる。そもそも書くのも面倒。ggksが口癖のロム民。そもそも本業は別の仕事のリーマン音楽リスナー。音楽ライターや音楽評論家の方々の記事を拝読しときにはうーんと思ったり内心違うだろとツッコミを入れることは当然あるがそれは自分たち音楽雑誌で育った世代のデフォ仕様なので。せいぜいFステの読者欄に毛が生えた程度のコメントでしかない。とまあこれだけ前置きのゴタクを並べてまだ本題に入らない(入れない)のは椎名誠の国分寺書店のオババの影響なのか。まあとにかくそのうち気が向いたら。)
エキゾチカ
細野ファンご承知の「エキゾチカ3部作」で知られるジャンル。
基本的には50年代の映画音楽などでエキゾチックなムード音楽など。
(ちなみに、YMOファンはご承知の通りだが、もともとYMOは〇〇のファイヤークラッカーを電子音楽でコピーしたところから始まる。つまりYMOはエキゾチカのテクノ版バンドとして始まった。)
※話が一気に現在に飛ぶが、筆者は個人的にシティポップの次は渋谷系を少しかすりつつモンドミュージックが流行ると思っている(希望的観測)。
2010年代の海外のシティポップブームはvaporwaveやlo-fi hiphopなどにおける2000s前後に海外で放送された日本の80s90sアニメがルーツ。
しかしもう飽きた。
もっと刺激はないか?
年代順で行けば次に来る候補に渋谷系も上がる。
だが、渋谷系のシャレオツなイメージはもともと60sフランスやロンドンなどがルーツ。
それは彼らにとって単なる懐メロ。つまり日本人にとってのGSのようなもの。
それはそれでもちろん多少はクルだろう。子供の頃に親の影響で聴いていれば懐かしいはず。
音楽がリバイバルヒットするポイントは中二までの音楽体験。
もしミレニアム世代の子供たちが中学2年生頃すなわち2000年生まれの子が2014年までに聴いたり体験した音楽やエンタメでなければなかなか刺さりにくい。
「中二までの音楽体験」はキーポイント。どの世代にも当てはまる。
1990年代生まれなら2000年代前後がなつかしい。
1980年代生まれなら1990年代前後がなつかしい。
1970年代生まれなら1980年代前後がなつかしい。※筆者はこの辺。
1960年代生まれなら1970年前後がなつかしい。
1950年代生まれなら1960年前後が懐かしい。
1940年代生まれなら1950年前後がなつかしい。※細野さんは団塊世代とのことだがだがざっくりこの辺。なんと小生の親世代に近いかもしれない。
細野さんもインタビュー等で常々おっしゃっているがエキゾチカにしろ子供の頃のラジオ体験だという。だいたい自分の音楽遍歴は細野さんがどこかでボソッといったことをよすがに聴く音楽を探してきた。一時期若気の至りで反抗期もあり。自分が民族音楽に傾倒していたころ、細野さんのエキゾチカがまだ理解できずなんだか沖縄の曲だってもっとちゃんとした伝統音楽や民族音楽のマナーでやったらどうかと憤慨していた時期もあったが、実は細野さんは民族音楽は小泉文夫(こいずみふみお)先生の愛弟子で伝統音楽もそれぞれ造詣がものすごく深く。だのになぜ演奏しないかというとそれはむしろ伝統音楽の演奏家の方への敬意でありポピュラー音楽演奏家としてはあえてエキゾチカなどを選択してやっている旨の矜持を後に知り我が身の若気の至りと無知に恥じ入ったことがある。けっこうその時期が長かったのでよけいに恥ずかしかった。中学時代の素朴なファンのままだったらよかった。ただ反抗心がないとこれは細野さんも知らんだろうというようなキューバのサンテリア音楽とか掘らないから(もちろん常識のように知っておられるわけだが)
なんというか若気の至りや屁のツッパリも肥しにはなっているのかもしれない。自分は今でこそ中二病の頃に聴いていたアイドルやアニソンなの、ジャンルにこだわらず云々といっているが、反抗期の中高生から学生社会人初期ぐらいまでは、とにかくハマったジャンルについては真剣に聴き半面それ以外は見えなくなりやれブルーズはテキサスと戦前ものしか聴けない、だの。サザンソウルはやはり1976年のオーティス・クレイ来日ライブまで、だの(O.V.ライト来日キャンセルで少しがっかりしただの)。そのジャンルにハマっていた頃の名残はあるが。当時は逆にユーミンとか絶対に聴かないと頑なに偏見や食わず嫌いを貫いていたので。うーむそりゃ女の子と話があわんわなと。本当はきまぐれオレンジロードの痛車もどき(まだステッカー程度)を自慢していた連れがうらやましかったのにもうそういうのは中学で卒業したからとうそぶいていた自分。チキショー。ワシもそういうので湾岸道路流したかったわ。・・・うん細野さんの話から大分脱線しとる。まあ当時硬派を気取っていた自分を強く戒めたい。
スペースミュージック
宇宙モノ。ヤン富田さん。
あとがき
はっきりいってモンドミュージックの定義はナンセンスである。なぜなら既存の音楽ジャンルの定義的なものを拒否することがモンドミュージックにおけるモンド感でもあるから。
だが、それじゃあいつまでたっても「モンドミュージックってなに?」といういたいけな小学生たちの素朴なギモンにこたえられないだろう。
というわけで、筆者はたんなるいちモンドミュージックファンまたは『モンドミュージック』という本の1読者にしかすぎないが、あえてひとことでモンドミュージックを定義してやろうと思う。
「モンドミュージックとはズレを楽しむ音楽である」
ここで「へんてこ音楽」にするか「ズレを楽しむ音楽」にするか迷ったが筆者もとい拙者の考えでは「へんてこ」より「ズレ」の方が本質に近いと考える。
すでにここに食いついてくる読者諸氏はお気づきのとおり「へんてこ」の定義は曖昧である。なにをヘンテコとするか?社会通念上はクラシックやポップスなどのヒット曲など基本的に大勢の人に受け入れられた普遍性のある音楽が「まっとうな音楽」とされるだろう。
だが、クラシックは実は相当へんてこな音楽だったという見方もできる。
16世紀~18世紀頃の西欧で、宮廷音楽や貴族などの上流階層や教会音楽など社会階層的には支配層に好まれてはいたが21世紀の民主主義的価値観で見直せば、一握りのブルジョア層が宮廷で楽しまれておられた音楽。つまりクラシック音楽は16世紀~18世紀頃の西欧で「ひっそりごく一部の愛好家に隠密裏に流行していた」音楽という見方もできよう(※個人の感想です💦+ちなみに筆者はクラシック音楽も大好きなので批判などではないのでその点は誤解なきよう)。
すると、現在まっとうな音楽と思われているクラシックも昔はけっこうへんてこ音楽だったという視点もうまれ、クラシック音楽もモンドミュージックか、という話になる。
わかりやすい例はサンサーンスだろう。
だが、自分がここで申し上げたいのはバッハやベートーベンなどのバロック系も相当モンドな気がする・・・ということなのだがまあその辺は裏のウラはオモテというちょっと初心者にもわかりにくい話なのでおいておこう。